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陶芸作家 清水貢

私の敬愛するご夫妻です。2005年春、永眠されました。
彼の若い頃、脱サラで始めた陶芸活動も40余年。試行錯誤を繰り返しながら年に2回から3回の窯焚きは人生をかけた真剣勝負の連続だったことでしょう。今も石亭の食卓には彼の残した器が並ばない日はありません。

彼の制作で使用される登り窯の中は1200℃を超えていくところでしょう。彼の人柄のまま写し出される器達の誕生します。
清水さんと知り合ったのは、地元広島のデパート。毎年五月の連休に広島在住作家の焼き物展が開かれる広いホールの中でした。その中で地味で目立たない彼のコーナーの前を通り過ぎるとき、目を奪われたのは小さな小さな祈りを捧げている土人形の花入れでした。目の前に広がってゆく彼の作品の本質に気がつくまで時間はかかりませんでした。

奥様はいつも私たち夫婦に誘いをかけてくれる優しい女性。笑顔がすてきでとびきりチャーミング、そういえばご主人もチャーミングなくちひげがトレードマークです。広島の奥山の窯場のこと、周りは自然が一杯です。家内と訪ねたときに見つけた夏椿の群落は今年も清楚に・・・・。
山歩きの好きなお二人は、手作りの美味しいわさび漬けをいつもお土産にしてくれました。家内の拙い絵をたいせつに掲げてくれて。
今は冬の最中、春先には窯が焚かれます。そういえば、随分いろんなお願いをしておりました。